公務員生活の話〜官舎〜

私は国家公務員ですが、転勤商売です。転勤の際には次の住処を探さなければなりません。転勤先に安く済めるアパートがあるような地域だと良いんですが、無いくらい山奥だったり、あっても高額な地域だったりします。そんな問題を解決するのが官舎です(単に宿舎と言ったりもします)。

官舎とは、各省庁、または財務省が設けている職員用の宿舎です。転勤が決まると、官舎への入居を希望するか聞いてもらえます。私も住んでいたことがあります。こ

の官舎ですが、びっくりするくらい安いです。例えば私が昔住んでいた官舎は、当時築20年弱で6畳の1k、駐車場付きで家賃は月8000円でした。その半分は駐車場代で、駐車場を借りなければ4000円です。狭いですが追い焚き機能付きの浴室に、ユニットバスでないトイレもついていました。クローゼットもどきや簡易な食器棚もあります。

他の官舎に触れてみると、まずキッチンとトイレ風呂共同タイプの4畳半の官舎だと、脅威の1500円/月です。下手したら1回の外食費の方が高いです。次に築30年越えの3DKという極端に広い例をご紹介します。20000円/月です。築30年とはいえ格安です。噂では幹部はもっといいマンションタイプに住めるのだとか…?これら全て敷金礼金はかかりません。また、最近では民間アパートを借り上げる事例もあるらしいです。家賃帯は自前と同じくらいです。

ここまで良いことを書いてみましたが、次にデメリットをご紹介します。

まず総じて古いです。最近は官舎を減らす動きがあり、新しいものを建てたという話は入職してから聞いたことがありません。その結果何が起きるかというと、設備の故障が発生します。私の住んでいた官舎はポンプが壊れて水が出なくなりました。近隣の官舎では冬に水道管が破裂し、水が出なくなりました。伝え聞くところによると、建物内の配管が破裂し、下の階が水浸しになった事例もあるのだとか…。

次に、壁が薄いです。隣の部屋のいびきや電話の声、果てはウォシュレットの音も聞こえます。驚きの防音性能です(悪い意味で)。

あとは、これが1番大きなデメリットだと思っておますが、エアコンがありません。必要な人は自分で電器屋さんに行き、購入する必要があります。退去時は原則外さなければいけません。ただし、これについては入居時に前の住人だとその人から受け継ぎ、退去時に次の住人が知り合いだとその人に引き継ぐ例もあります。

最後に、自治が必要になります。管理人等はいないので、共用部分の日頃の清掃や草刈り、除雪は入居者で行います。

しかし、これらのデメリットを打ち消すくらい、とにかく安いです。無茶苦茶お金が貯まります。採用直後で給料が安い間は、入っていた方が良いと思います。

現代においてはメリットかデメリットか怪しいところですが、私は同期や先輩と食事に行き、そのまま誰かの部屋で皆んなでゲームをしたりして楽しかったです。役職が上の方の単身赴任のおじさんたちは、週末集団で競馬で盛り上がり楽しそうにしてました(ちょっとうるさかったので音量は抑えましょう)。

昔は食事を用意してくれるタイプの官舎もあったらしいですが、最近はありません。

中央官庁の職員は、有事の際に即座に出勤する代わりに都心で格安の官舎に入れることもあるのだとか。

官舎に入るか否かは、結局のところは本人が何を重視するかによると思います。

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